あらゆる意味で、我が師匠と崇めているステイメン泉さん。
その氏が蒼助本部へ、ある要請をしてきた。
「タタキを喰わせてください!」
ナヌッ!?タタキ!?
タタキって?カツオの?
カツオが好物なのか?
今シーズン、島の沿岸にカツオが回るなんて稀だが、ハガツオならきっとなんとかなるだろう!
そ、そうだっ!キツネのタタキを磯で食ってもらおう!
常日頃、我々「すていめん倶楽部」メンバーを引っ張り(脚じゃなく)、様々な教えを説いてきた師匠に感謝の意を込めて…、そう、過去の鬱憤や疲れを労い、癒して差し上げよう!
そう思ったんだった。
所謂、接待釣りである!
ところがところが、極度の高所恐怖症である師匠は、普段、断崖磯を好まない。ましてやカツオが狙える沖磯に行くなんて言うと…
絶対に来ないはずである。
「そもそもリーダーって渡船から磯に跳べますかねぇ?」
と、タコヤキ。
…確かにヤベエ!そんなアグレッシブなリーダー見たこと無い。
どうにかうまいことごまかして車に押し込む必要がある。
乗船直前まで秘密にしておいて、半ば強引に連れて行こう!そういう段取り。
AM5:00、タコヤキとパグが到着。しばし打ち合わせをしながら師匠を待つ。ところが肝心の師匠が来ない。
待ちきれずタコヤキが電話してみると、なんと寝てた!
・・・さすがだ!
タコヤキ、パグの二人に氷の買い出しを頼み、先に港へ向かってもらう。僕は師匠を待った。
20分後、やっと来た師匠を乗せて後を追う。
執拗に行く先を聞いてくる師匠をなんとかごまかしながらひた走り、港に到着。
そしてタコヤキが本日の釣り場を発表!
「マジで〜!キャ〜!」と駄々こねる師匠だが、程なくして渡船入港!有無を言わさず出港!
少し顔が強張っているが仕方ない。
思ったより風が西へ回り込み、狙いの磯には上がれなかったが、想定圏内へ無事渡礁。師匠もなんとか飛び乗ることができて、我々もひと安心。
さて、下げの潮が激流れのこの磯。
ちょうど大きな瀬戸の玄関先。目の前でゴウゴウと湧き上がり、ひじょうに釣りづらい。
表はアゲインストの上に一段浅く、まっぽしのあて潮。とても鋭角な岬で、逆に打ち辛く、皆苦戦する。
先ず、タコヤキがヒゲ付きの赤女をゲット。
赤い魚は高級魚と相場が決まっている。間違いない。
小さなイサキが俄かに足下のベイトを追うが、こちらは食わせるにはちょっと難しそう。
各々が沈め、そしてしゃくる。
120gで底が取れない。
時に表層も気を配る。
とにかくハガツオが欲しいのだ。
海面を四方八方ペンシルで掻き回すが、な〜んも無しざます。
そのうち皆でラバーを沈め出すのは自然の成り行きです。
んで、早速僕のに「ゴゴゴッ!」っと…来た!
これは嬉しいヒゲ無し赤女!
しかもデカクね!?
その後潮は流速を増し、さらに苦戦。というか釣りにならない。そういう場所。
まぁ、そんな日もある。
我々はそのことを知っている。
で、だ…
そういう時はやっぱ!
料理だろっ!
今日はソーメン持ってきたし、玉ねぎもゆずポンもあるよ!
出た〜っ!伝説のタコヤキ創作料理!
「赤女のイソパッチョ」
超うめ〜っ!
師匠も腕毛が立つほどご満悦!
近頃、魚が美味いんです、オレ。